パパッとわかる お金の基礎知識
【第10回 源泉徴収票の見方】
浅村FP事務所 ファイナンシャル・プランナー 浅村由美
12月末に会社からもらう小さな薄い紙が、源泉徴収票。「何が書いてあるのかよくわからない…」という人も多いかもしれませんね。第10回目は「源泉徴収票の見方」を紐解いていきます。
●1年間の精算書!
ポイントとなる数字を、おさえておきましょう。
- 支払金額
- この金額が年収です。1年分の給与明細・賞与明細の支給額合計欄を足した金額になります。(通勤手当は除く)社会保険料や財形などの金額は天引きされているので、実際には振り込まれませんが、ここに含まれています。
- 給与所得控除後の金額
- 支払金額から、会社員の必要経費にあたる給与所得控除額(※)を引いた金額になります。
※給与所得控除額:支払金額に応じて決まっています。
- 所得控除の額の合計額
- 基礎控除・配偶者控除・社会保険料控除といった所得控除の合計金額です。この金額にも、所得税はかかりません。年末調整の前に会社に提出した「給与所得控除者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の保険料控除申告書」「給与所得者の配偶者特別控除申告書」に記入した内容が反映されています。
- 源泉徴収税額
- 1年間に給与や賞与から天引きされた所得税の合計金額です。定率減税分は、すでに引かれています。
- 年調定率控除額
- 定率減税によって減税になった金額です。割引率は、平成17年は20%(最大25万円)でしたが、平成18年には10%(最大12.5万円)に縮小され、平成19年には廃止になることが決まっています。今年来年と可処分所得が減ることになるので、心しておきたいですね。
所得税の計算方法 |
STEP1 |
支払金額 |
− |
給与所得控除額 |
= |
給与所得控除後の金額 |
600万 |
174万円 |
426万円 |
|
STEP2 |
給与所得控除後の金額 |
− |
所得控除の額の合計額 |
= |
課税給与所得金額 |
426万円 |
195万円 |
231万円 |
|
STEP3 |
課税給与所得金額 |
× |
税率 |
= |
所得税 |
231万円 |
10% |
23.1万円 |
|
STEP4 |
所得税 |
− |
年調定率減税額 |
= |
源泉徴収税額 |
23.1万円 |
4.62万円 |
18.48万円 |
|
※このケースでは…給与所得控除174万円・税率10%になります。 |